第88話

それからしばらくして、今日最初のお客さんが来た。




「いらっしゃいませ」




それは若いママと小さな男の子の親子連れだった。


見たことのない顔だから、初めてのお客さんだ。




「お好きなお席へどうぞ」




私がそう言うと、カウンターの一番奥に荷物を置いてその隣にママさん、そのさらに隣にちょんと男の子が腰を下ろした。


くりくりした目が不思議そうに店内を見回してる。




ママさんと茶葉について一言二言受け答えをしてから、ホットのダージリンとアイスミルクティーをご注文頂いて、私はすぐに準備に取りかかった。




いつもはお茶と一緒に出すお菓子を、私はお皿に盛って先に出した。


今日はマドレーヌ。




「おねえちゃんありがとう」




早速かぶりつきながら男の子が言った。




「どういたしまして」

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