第69話

淡々とした会話。




私は経緯を話しただけだし、君はうんとそっかしか言ってないけど、


今までで一番濃い会話だった気がする。




同情したりとか、悲しんだりとか、もちろん嗤ったりとかしない君。


本当に不思議なひとだね。




もう今は会話は終了して、また本の続きを読んでいる。




私も自宅から飲みかけのセイロンティーと読みかけの雑誌を持ってきて、それを楽しんでいた。




二階の自宅で寛ぐのも最高だけど、ここもやっぱり居心地が良い。




お客さんの君がいるのにこうも寛いでしまうなんて、店主としてまずいかな。


でも君も特に気にした様子はないし、別にいいよねと私は雑誌に視線を落とした。




……。


そういえば。




雑誌を読みながらふと思い至って、私はもう一度顔を上げて君をこっそり見た。




君は最初からかなり失礼なやつではあったんだけど、無視とかはしなかったよね。


無茶な注文はするけど、今みたいになにか話せば必ず返事を返してくれてた。




そんなことに気がついて、やっぱり良いやつなのかもと再認識する私はやっぱり単純みたいだ。

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