第66話

危ない危ない。




少し落ち着いて手元から顔をあげたら、君は本を開いたまま視線を私に向けていた。




「あんたの家?」




何、突然。


今まで君からこんな風に話しかけられたことなんてなかった。




私は戸惑いながらも頷く。




「そう」




私の自慢の家だよ。


素敵でしょ?




「実家は?」


「実家?」


「親は?」




親?




「いないけど」


「え?」




条件反射でさらっと答えた私に向けられたのは、驚いた君の顔。




そんな表情始めて見たよ。

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