第64話

今日は定休日だから、いつも用意しておく新聞はお店においてなかった。


2階に置きっぱなし。




だから君は、適当にお店においていた本を手に取って開いていた。




ディスプレイとして、またはお客さん用の、海外小説や写真集たち。


いくつか中を見てから一冊の本を選んで読み始めた。




……あ。


その本のセレクトは正解だと思う。




君が選んだのは、私も好きな推理もののシリーズだった。






やかんが湯気を吐き出して、私はカップにインスタントコーヒーの粉を入れる。




コンロのスイッチを切ったら、店内は一気に静かになった。




「雨、やみませんね」


「うん」




いつものようにコーヒーを出したら、その後交わした会話はそれだけ。


でも、沈黙が心地いいのはなんでかな。




今日はラジオをつけてないから、微かな雨音が聞こえた。

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