第62話

私の視線も特に気にせず君は濡れた傘を傘立てに置き、すいっと電気もつけていない店内に入り込むと、いつものカウンター席に座った。




そして、




「コーヒー」




……。




は?


今なんて言った?




普通に注文した?


しかも、またコーヒー。




……。




あのさ。


どう見てもわかるよね、営業してないって。


わかってて言ってるよね。




本当になんなの。


なんなの、君。




抗議したい気持ちが沸々と沸き上がる。




私の眉はピクピクと震え、口は魚のようにパクパクと動いた。

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