第60話
今のノックは誰かな。
郵便か宅急便かな。
私は念のため印鑑を持って階段を降りた。
「はーい」
照明はつけずに返事だけ返して、客席の後ろを歩いた。
お店の出入口と玄関は兼用。
実はいつもお客さんを迎える木のドアが自宅の玄関でもある。
間口の狭いお店だからそういう作りになっていた。
でもそんなところも私好みだから、気にはならないけど。
先日知佳さんがくれた鋳物の猫は、今ではその扉の外側に付いていた。
私が自分で付けようとしていたら、たまたま通り掛かったお隣の家のお父さんが見かねてちゃっちゃと付けてくれた。
さすが水道工事屋さんをしているだけあって、きっちりドアの真ん中に一瞬とも言える手際でくっついた。
このお父さんがいなかったら、うちの自宅にキッチンなんて作れなかったと思う。
我ながらずいぶん無謀なことをしようとしていたんだと、最近になって少しずつわかってきた。
いつもご迷惑をお掛けしてます。
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