第52話

すると、




「だから面白いんじゃねぇの」




君はさらりとそう言った。


読み始めた新聞から視線もあげずに。






うまくいかないから、面白い。




私はその言葉を頭の中で反芻する。






……え、そうかな。




うまくいかないのって面白くないんじゃないの?


失敗したら悔しいし、成功したら嬉しいものでしょ?




うまくいった方が面白いと思うんだけど。




私はそんな風に想いながら、新聞に視線を落としたままの君をこっそり見つめてみた。






ラジオから、DJの軽快なトークが聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る