第47話

私はカウンターから出て、木ドアを中から押し開ける。




扉が開いた瞬間、目の前に知佳さんの手が伸びてきて、反射的に一歩下がった。




「はい、これあげる」




びっくりした。




知佳さんは私になにかを差し出していた。


片腕に抱えている大荷物が崩れそうなのに気づいて、私は慌ててそれを受けとる。




知佳さんの荷物が安定したのを見届けてから、手のひらにぽとんと落とされたそれを見つめた。




そこにあったのは猫が座った形の鋳物のプレート。


片手のひらにすっぽり納まってしまうくらいの大きさで、真っ黒くて耳がピンとした形がソラによく似てた。




「わ、可愛い!」


「でしょ?可愛くてつい仕入れちゃったけど、値段つかないからさ」


「え、いいんですか?」


「うん、お土産」


「ありがとうございます!」


「どういたしまして」




知佳さんには貰いっぱなしで本当にいつも申し訳ないんだけど、でも一目で気に入ってしまった私はありがたくそれを頂いた。




可愛い。


あとでドアに付けよう。




私はるんるん気分でエプロンのポケットにしまった。

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