第22話

……え?




私は戸惑いだらけの視線を送る。


これは一体、どういう状況なの?




「……」


「コーヒー」




幻聴かと思った。




「……」


「コーヒー」




……幻聴じゃなかった。


スルーしたのに、あろうことか繰り返された。




え?


なんで?


ありませんって、私言ったよね。




「あ、の……」




もう一度、私はないってことを説明しようとおそるおそる口を開いた。


でも、


次の言葉を発する前にそれは喉に詰まってしまった。




だって、そのお客さんがにこっと笑ったから。




さっきまでの不機嫌さはなんだったのっていうくらいの、いい笑顔で。

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