第19話

「どうせ客なんて滅多にこないし」




なんて言ってよく来てくれるんだけど、戸締まりもしないでふらりとやって来るからちょっと心配だったりする。




まあ、不在の知佳さんの代わりに家具屋さんとか洋食屋さんのご主人が前にアンティークショップで接客してたのを見たことがあるから、大丈夫かな。


私はその光景を思い出して、ちょっと笑った。




おかげで知佳さんは、今では大切な常連さん。






知佳さんの後ろ姿が見えなくなると、かすかなラジオの音が耳に届く。




お客さんが途切れたから、知佳さんの飲んだミルクティのグラスを片付けながらそれを聞いていた。




明日の天気は晴れだって。




明日の朝の散歩、ちょっと遠くまで行ってみようかな。


あ、それと布団も干そう。




そんなことを考えていると、




カランカラン。




ドアに付けたベルが鳴って、来客を告げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る