第33話

先生は顧問にならずに済んでほっとしてるのかな。


だったら、悲しい。




やっと手に入れたと思ったのに、やっぱりダメだったなんて、


あんまりすぎる。




俺は本気で凹んでた。


すると、




「同好会だな」




ん?


同好会?




「部員が入るまでは陸上同好会でやるか」


「陸上、同好会?」


「おぅ」




“部活”はダメでも、“同好会”ならひとりでもいいのか?


作れるのか、居場所を?




ぱっと咲いた希望の花に、目を輝かせて先生を見つめる。




「同好会なら人数は関係ないしな」


「それで!それでいいです!お願いします!!」




なんでもいい。


やった。




「ま、頑張って部員集めして後で部にすればいい」




浮かれる俺に、笑いながら先生が言った。

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