第28話

顧問になってもらうなら、名前だけって訳にはいかない。


監督責任だって負ってもらうことになるし、大会とかに出るなら休みの日に引率してもらわないといけない。




先生にそれをさせるのか。




暇さえあれば意気揚々と走りに行くこのひとの時間を、俺が奪っていいのか?




……




……




……。




なんか、


それも嫌だな。




もう、諦めるしかないのかな。




結構頑張ってみたけど、もう打つ手なしだ。




まぁ、また一緒にジョギングに付き合わせて貰えばいっか。


速さを追い求めることはできないけど、十分楽しかったし。




残念だけど。




自分の膝を見詰めたままそんなことを考えていると、




「はぁぁ~」




後頭部に深い溜め息が降り注いだ。

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