第27話

「お願いします!!」




バカの一つ覚えみたいに繰り返す。




深く頭を下げすぎて自分の足しか見えないから、先生の反応はわからない。


わかるのは、返事がまだ返ってこないってことだけ。




やっぱ嫌なんだろうな。




他の先生たちに断られたとき、理由を聞いた。


なんでダメなんですかって。




返ってくる答えはだいたいみんな同じ。


はっきりとそう言われた訳じゃないけど、態度でわかるよ。




めんどくさい。


時間がもったいない。


そんなとこだ。




きっと同じように思ってるんだろうな。




そりゃそうか。


お楽しみのジョギングの時間も削られるだろうし。




……




……




……。




やっぱ、


先生に頼むのは自分勝手だったかもしれない。




あんなに楽しそうに走るのを邪魔することになる。


そのことに、不意に気付いた。

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