第26話

そこへ、




「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」




先生が来た。




今日俺がここにいるのは、実は先生を待っていたから。


梅雨の合間の曇りの日を、逃すはずないと踏んだのは正解だった。




すかさず飛び起きて道路へ飛び出す。




先生はすぐに俺に気づいたみたいだ。




「先生!」




進路を塞ぐように道路の真ん中に仁王立ちして、叫んだ。




「おー、佐久間」




先生は俺の前で立ち止まり、よぉと軽く手を上げた。


でも俺はそれに応えることなく、




「先生、お願いします!顧問になってください!!」




がばりと頭を下げた。


それはもう二つ折りのケータイのような姿勢で。




「お願いします!!」




もう一度叫ぶ。




だって、


後がないんだ。




教師全員に断られた今となっては、一番俺の気持ちを知ってる先生になんとか引き受けて貰うしか。




頼む。


どうか聞いてくれ。




これでもダメなら土下座だってしてやる。




そんなつもりでひたすら頼み込んだ。

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