第11話

先生を見に行くのは、もう既に日課みたいになってるのかもしれない。


雨の日や会議とかのある日は来ないって知ってる俺って、本格的に気持ち悪いよな。




でも、なんかやめらんなかった。




先生は何を思って走ってんだろう。


何がそんなに楽しいんだろう。




興味はどんどん大きくなるだけだった。




その日も、俺はいつも通りに土手にいた。




「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」




独特の呼吸音か聞こえて、道路を見る。


丸い影が弾むようにやって来た。




先生はかなり近くを通るのに、いつも俺には気付かない。




だから、


油断していたのかもしれない。




先生が目の前に差し掛かった瞬間。




ばちん。




目が合ってしまった。

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