第5篇「天空の神殿」(後編)

▢▢▢ 復活の刻 ▢▢▢


零士の指が、ホログラムキーボードの上を舞っていた。青白い光に照らされた研究室に、プログラムコードが次々と浮かび上がる。


「この霊力干渉......ただ事じゃないな」


零士の眉間みけんしわが寄る。


「これが、高天原の力なのか......」


薄れゆくタカミンのホログラムを前に、零士が新たなコードを入力し始めた。


「零士、タカミンは......」


光輝こうきの問いかけに、零士はうなずきながら答える。


「大丈夫。新しいプログラムを実装する」


▢▢▢ 進化の瞬間 ▢▢▢


「これが新しい防御プログラムだ」


零士がコマンドを入力すると、タカミンの青い光が虹色に変化していく。


「わぁ!体が軽くなった!」タカミンが宙返りしながら歓声を上げる。


「霊力干渉防止シールドに、古代言語解析機能もプラスしたよ」


もう一度コードを入力すると、タカミンの周囲に七色の光の輪が広がった。


「解析能力が3倍に!しかも、古代の象徴の意味も瞬時に理解できる!」


詩織しおりが目を輝かせる。


「これなら、高天原でも......」


▢▢▢ 再挑戦の時 ▢▢▢


「さあ、高天原に戻る時だ」


光輝は時空の鍵を取り出し、これまでに集めた秘宝たちを配置していく。


「羅針盤、火焔かえんの鏡、黒曜石の矢、輪環りんかん......」


「解析準備、完了!」タカミンの声が、かつてないほど力強い。「神器たちの波長、完全に同調してます!」


零士が静かに頷いた。


「光輝、絶対に戻って来いよ。親友として約束だ」


「ああ、必ず」


時空の鍵が輝きを放ち、神器たちが共鳴を始める。まぶしい光が三人を包み込み、高天原への扉が再び開かれる。


▢▢▢ 次回予告 ▢▢▢


パワーアップしたタカミン。


天の勾玉の導き。


そして、明かされる高天原の真実――


次回、第6篇「記憶の果て」開幕!

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