第2篇: 太陽の国(後編)
▢▢▢ 祭りの幕開け ▢▢▢
第2篇: 太陽の国(後編)
▢▢▢ 祭りの幕開け ▢▢▢
夜明けの空が
ヒビキが
「ご覧ください。私も来年は、あの中で舞うことになるの。でも……少し不安で」
詩織は思わずヒビキの手を握った。
「大丈夫よ。あなたなら、きっと素晴らしい
「この場所には、確かな力が宿っている」
タカミンが青く輝きながら応える。
「うん!すごい波動だよ。鏡と
タカミンは一瞬黙り込み、慎重に続けた。
「この波動、どこか懐かしい感じがするんだ」
▢▢▢ 迫りくる影 ▢▢▢
夕闇が迫る頃、突如として風が変わった。タカミンの姿が青く
「異常検知!複数の侵入者、特殊な装備を携帯!これ、現代のものじゃないよ!」
社殿の影から、
「抵抗はよせ。我ら『
首領は一歩前に進み、威圧的な声を続ける。
「我らこそが、その力を正しく扱える者なのだから」
詩織はヒビキの前に立ちはだかった。
「この子の大切な祭りを、誰にも邪魔はさせない!」
タカミンが急いで状況を分析する。
「敵の数、十五!円陣を組んで接近中!」
その青い光が激しく明滅する。
「彼らの装備から、古代のテクノロジーの波長を検出。要注意だよ!」
▢▢▢ 火焔の鏡の真力 ▢▢▢
戦いは
タカミンの警告が次々と飛ぶ。
「光輝!右側!」
「詩織さん、後ろ!」
「三人、背中合わせに!敵の動きが変わった!」
光輝は羅針盤を掲げ、敵の動きを封じていく。詩織の放つ
その時、ヒビキが祭壇の前に立った。幼さを感じさせない、一人の巫女としての威厳が漂う。
「お願い、火焔の鏡よ」
ヒビキの清らかな声が響く。
「私たちに力を……!」
詩織は
三つの想いが重なった瞬間、驚異的な現象が起きた。火焔の鏡から放たれた光が虹のように七色に分かれ、境内の空を覆う。
タカミンが歓声を上げる。
「エネルギー共鳴率が急上昇!鏡と羅針盤が完全同調!そこにヒビキの祈りも重なってる!」
首領が仮面を外し、若い男の素顔を見せる。
「なんという…清浄なる力」
彼の目には、悔恨の涙が光っていた。
「我らの求めていたものは、この清らかさだったのか」
▢▢▢ 明かされる秘密 ▢▢▢
戦いの後、夕陽が沈みゆく社殿に静寂が戻った。火焔の鏡の表面に、不思議な文様が浮かび上がる。
タカミンが興奮した声を上げる。
「古代の星図だ!羅針盤の模様と完全に一致する!これは…次の目的地を示してるんだよ!」
ヒビキが古い言い伝えを口にする。
「日の出ずる国の東、
光輝は鏡の表面に映る模様をじっと見つめた。そこには、はるか東の海を越えた場所、
「その先には」
ヒビキの声が静かに続く。
「もっと大きな力が眠っているの。だからこそ、あなたたちに託したい」
▢▢▢ 新たな旅立ち ▢▢▢
祭りの終わりを告げる鐘の音が、夕暮れの空に響く。
ヒビキは光輝たちに、木箱に納められた小さな鏡を差し出した。
「これは火焔の鏡の
「ヒビキ…」
詩織の目に涙が光る。
「泣かないで」
ヒビキは微笑んだ。
「私たち、必ずまた会えるから。その時は私、立派な巫女になってるわ」
「約束よ」
詩織は強く
光輝は分身の鏡を受け取りながら、深く頭を下げる。
「ありがとう。必ず、戻ってきます」
村人たちも集まり、光輝たちの旅の安全を祈願する即席の
タカミンが新たな星図のデータを解析しながら、嬉しそうに告げる。
「次の目的地、日高見の国!きっと、もっとすごい発見があるはず!」
夕陽が沈みゆく中、光輝たちは新たな冒険へと歩み出した。
▢▢▢ 次回予告 ▢▢▢
遥かなる日高見の国へ——
古の戦士たちが守り継いだ秘宝の謎に迫る。
光輝たちの旅は、新たな歴史の扉を開く。
次回、第3篇「常世の森」開幕!
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