第2篇: 太陽の国(中編)

第2篇: 太陽の国(中編)



▢▢▢ 鏡の力の目覚め ▢▢▢



黒装束くろしょうぞくの者たちとの対峙たいじは激しいものとなった。火焔かえんの鏡を守ろうとする光輝こうき詩織しおりに対し、黒装束のリーダーが不敵な笑みを浮かべる。


「その鏡は我々のものだ。お前たちの手には余る代物だ!」


光輝は羅針盤を握りしめ、タカミンに指示をあおいだ。「タカミン、鏡の力を使う方法はあるか?」


「解析中……少し待ってて!」タカミンの声が焦りを帯びる。「検出した!鏡の表面に特殊な周波数を感知!太陽光と共鳴してる!」



その時、ヒビキの清らかな声が境内けいだいに響き渡った。


「太陽の神よ、我らを照らしたまえ!」


彼女の祈りに呼応するように、鏡が淡い光を放ち始める。


「光輝!鏡を太陽光に当てて、その反射を敵に向けて!」タカミンが叫ぶ。



光輝が鏡を高く掲げると、太陽の光が鏡に反射し、強烈な光線となって黒装束たちを包み込んだ。彼らはひるみ、混乱の中で逃げ去った。


「うまくいったみたいね」詩織が息を整えながら微笑む。


「火焔の鏡……これが持つ力のほんの一端なんだろうな」光輝もその神秘に圧倒されながら言った。



▢▢▢ 鏡が映し出す未来 ▢▢▢



戦いが終わり、夕暮れのやしろに静寂が戻ってきた。


ヒビキが鏡を静かに見つめて言った。「この鏡は、ただの神器じんぎじゃない。未来も映し出すことができるって言われているわ」


タカミンが分析を続ける。「うん、面白い発見があったよ!この鏡の表面には、時空をゆがめる特殊な結晶構造が確認できる。太陽の力を使って、過去と未来の映像を映し出せる可能性が高いね」


「過去と未来……」光輝は鏡を見つめながらつぶやいた。「この鏡が示す未来、それが私たちの旅にどう関係するのか」


詩織が不意に声を上げた。「光輝、見て!」


鏡の表面に、かすかな映像が浮かび上がり始めていた。それは遥か東の海の彼方、未知なる土地を示していた。


「データ解析完了!」タカミンが興奮した様子で告げる。「次の目的地の座標、特定できたよ!」



▢▢▢ 次回予告 ▢▢▢



火焔の鏡が映し出した新たな世界。

その先に待つものとは——

光輝たちの旅は、さらなる謎へと誘われる。


次回、「太陽の国(後編)」、新たな冒険の舞台が明らかになる!

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