第16話 西田への接触

橘と鳴海は、証拠を持って西田貴彦の元へ向かっていた。再開発計画の中心人物である西田は、白薔薇計画に深く関与しているとされる人物だった。鳴海は緊張した面持ちで橘を見上げた。


「橘さん、本当に西田さんはこれで全てを話すと思いますか?」

「奴が話さなくても構わない。だが、この証拠を突きつければ、奴の動揺は避けられない。」

橘の声は冷静だったが、その奥には何かを決意した鋭いものが宿っていた。


車を降りた二人は、西田が経営する三栄建設のビルへと向かった。夜の静寂の中でそのビルは不気味なほど堂々とそびえ立っている。


ビルの中に入り、受付を強引に通り抜けた二人はエレベーターで西田の執務室へと向かった。西田は深夜にもかかわらず、部屋の中で一人黙々と書類をチェックしていた。


「警察か……こんな時間に何の用だ?」

西田は二人を見ても動じることなく、椅子に腰掛けたまま冷たく言った。


「これを見ても同じことが言えるか?」

橘は持参したノートを机の上に広げた。そのページには白薔薇計画の資金ルートや、彼が深く関与している証拠が記されている。


西田の目が一瞬だけ揺らいだ。だが、すぐに冷笑を浮かべた。

「こんなもの……でっち上げに決まっている。」


「お前がそう言うと思って、写真も用意している。」

橘がノートに加えて、佐伯美月の写真を取り出して机に置いた。その写真には「彼女の記憶を辿れ」と記された文字があった。


西田の表情が明らかに変わった。冷静を装っていたその顔には、わずかながら動揺が滲んでいる。


「どういうことだ……。」


「お前は何かを隠している。それも、6年前の白薔薇事件と深く関係していることだ。」

橘は西田を睨みながら言葉を続けた。


「このノートには、お前たちの不正な資金ルートが全て記されている。そして、この写真……美月が知っていた何かが、計画の核心を暴く鍵だ。」


「私には関係ない……!」

西田は声を荒げたが、その様子は反論というよりも焦りに近かった。


「関係ない? ならば、この鍵についても説明してもらおう。」

橘は白薔薇の紋章が刻まれた鍵を取り出した。それを見た瞬間、西田の顔色が一気に青ざめた。


「その鍵……どこで……。」

西田は声を震わせながら鍵を凝視していた。


「どうやら、この鍵が開ける場所にお前の秘密が隠されているようだな。」

橘の言葉に、西田は椅子から立ち上がり、机の向こうで声を荒げた。


「お前たちには何も分からない! この計画は……私一人のものじゃないんだ!」


その瞬間、部屋の扉が勢いよく開き、スーツ姿の男たちが数人入ってきた。橘と鳴海はとっさに振り返り、警戒態勢を取る。


「ここまでだ。」

リーダーらしき男が冷静な声で言った。


「誰だ……お前たちは?」

橘が問いかけるが、男たちは答えずに一斉に動き始めた。


「鳴海、証拠を守れ!」

橘が叫ぶと、鳴海はとっさにノートと写真、鍵を掴み、部屋の奥へと走った。


混乱の中、西田が橘に向かって叫んだ。

「お前たちには分からない! 白薔薇計画は……もう止められない!」


橘はその言葉に対して冷静に問い返した。

「なら教えろ。計画の本当の目的は何だ?」


だが、西田はそれ以上何も言わず、スーツ姿の男たちに守られる形で部屋を去った。


スーツ姿の男たちが迫りくる中、鳴海と橘はビルを脱出しようと走った。

「橘さん、証拠は確保しました!」

鳴海がノートをしっかり抱えながら叫ぶ。


「よし、車に戻るぞ!」

橘は鳴海を守るようにしながらエレベーターに乗り込み、ビルの出口へと急いだ。


「奴らの目的は証拠を奪うことだ。絶対に渡すな。」


ビルの出口を抜け、車に飛び乗った二人は急発進でその場を後にした。


選択肢: 応援コメントへの記載依頼


読者の皆様へ――

西田との対峙により、新たな謎と危険が明らかになりました。この証拠を次にどう活用するべきか、あなたの選択が物語を動かします。以下の選択肢から直感で選び、応援コメント欄に 「1」または「2」 の番号を記載してください。番号だけの記載でも大歓迎です!

1.白薔薇の鍵の秘密を追う

→ 証拠を元に、鍵が示す場所を特定し、計画の核心に迫る。

2.警察の協力を仰ぎ、体制を整える

→ 警察の内部で証拠を共有し、より強力なバックアップを得る。


締切は明日7時まで!

皆さんの選択が、この物語の未来を決定します。ぜひコメントで教えてください!


読者へのメッセージ


「読者の君へ――」

西田は逃げ、計画の全貌はまだ掴めていない。だが、確保した証拠には、事件の真相に迫る鍵が隠されている。次に進むべき道は君の選択に委ねられている。鍵が指し示す場所に踏み込むのか、警察の力を借りるのか――慎重かつ大胆に決めてほしい。真実を掴む一歩を踏み出そう。

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