第15話 黒幕の輪郭

橘と鳴海は車を走らせながら、静まり返った夜道を急いでいた。橘の表情はいつも以上に険しく、鳴海も黙ってノートを抱えていた。助手席の鳴海が口を開いたのは、しばらくの沈黙の後だった。


「橘さん、この証拠……これで事件を解決に導けると思いますか?」

彼女の声には不安が滲んでいた。


「証拠だけでは足りない。これをどう使うかが重要だ。」

橘は視線を前方に固定したまま答える。その冷静な口調に鳴海は少しだけ安心するが、それでも胸の奥には焦燥感があった。


「このノート、写真、それに鍵……全部繋がるんでしょうか?」

「繋げるのは俺たちの役目だ。だが、その前に安全な場所で確認が必要だ。」


車は数分後、町外れの隠れ家に到着した。再開発地区の監視活動で使っていた古い倉庫だ。


倉庫に入ると、橘はすぐにテーブルを整え、ノート、写真、小さな鍵を並べた。


「まずはノートだ。」

橘が慎重にページをめくる。ノートには、「白薔薇計画」というタイトルが大きく書かれており、続くページには手書きの文字と図がびっしりと記されていた。


「資金の流れ、関係者のリスト……これだけ詳細に書かれているなら、奴らにとっては致命的だ。」

橘がページをめくりながら呟く。


鳴海が指をさして言った。

「ここに記されている名前……再開発計画の中心人物たちですね。」

「西田貴彦……やはり奴が関与している。」


さらにページを進めると、「麻薬取引」「隠蔽」「殺害計画」という言葉がいくつも飛び出してきた。

「これが全て本当なら、奴らを一網打尽にできる。」


橘が次に手に取ったのは、小さな箱に入っていた佐伯美月の写真だった。

「彼女がなぜここに……。」

鳴海は写真をじっと見つめながら言った。


「美月は、再開発計画の背後にある何かを知っていた。そしてそれが命を奪われた理由だ。」

橘の言葉に、鳴海は小さく頷いた。


写真の隅には、かすかに手書きの文字が書かれていた。

「彼女の記憶を辿れ。」


「記憶を辿れ……?」

鳴海が呟くと、橘は眉をひそめながら言った。

「彼女の周囲にまだ隠された手がかりがあるということだ。」


橘が白薔薇の紋章が刻まれた小さな鍵を手に取りながら言った。

「この鍵は、どこかに繋がっている。」


「でも、どこに……?」

鳴海が問いかけると、橘はノートの内容を再確認しながら言った。

「この鍵が開くのは、奴らが最後まで隠そうとした場所だ。だが、その場所を特定するにはもう少し手がかりが必要だ。」


「つまり、まだ答えが揃っていないということですね。」

鳴海は歯がゆい表情を浮かべた。


そのとき、橘のスマートフォンが振動音を立てた。画面には「非通知」の文字が表示されている。


「誰だ……?」

橘が警戒しながら電話に出ると、低い声が響いた。

「持ち帰ったものを渡せ。それが、お前たちの安全を守る唯一の方法だ。」


「誰だ?」

橘が問い返すが、相手は名乗らない。


「名前はどうでもいい。だが、白薔薇の鍵を渡さなければ、次に会うときは死ぬだけだ。」

冷たい声が言い放つと同時に、電話は切れた。


橘はすぐに倉庫の周囲を見回し、窓を確認した。

「奴らがすぐ近くにいる可能性がある。」


「どうしますか……?」

鳴海の声に、橘は一瞬だけ考え込み、深呼吸してから言った。

「まずはこの証拠を活用する手段を考える。このままでは奴らに潰される。」


選択肢: 応援コメントへの記載依頼


読者の皆様へ――

鳴海と橘が持ち帰った証拠は、事件の核心に迫るものです。しかし、それをどう活用するかは皆様の選択にかかっています!以下の選択肢から直感で選び、応援コメント欄に 「1」または「2」 の番号を記載してください。番号だけの記載でも大歓迎です!

1.西田に証拠を突きつけ、直接交渉する

→ 再開発計画の中核人物である西田に挑み、真実を引き出す手段を選ぶ。

2.鍵の使い道を先に調べる

→ 白薔薇の鍵が開く場所を探し、さらなる隠された真実に迫る。


締切は明日7時まで!

読者の皆様の選択が、物語の未来を決定します。ぜひコメントで教えてください!


読者へのメッセージ


「読者の君へ――」

物語の謎は、君の選択次第で進む道が変わる。西田に真っ向から挑むか、それとも鍵が示す真実に一歩近づくか――君の直感が鳴海と橘を次のステージへ導く力となる。

慎重に考えつつも、直感を信じて進むべき道を選んでほしい。真実への道は君の手にかかっている。

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