帰還

2人はしばらく走り、ついに飛行機がある場所に着いた。2人は脱出用スライドをよじ登り、飛行機に乗った。機内からスライドを取り外し、ドアを閉めて急いでコックピットに向かった。2人はコックピットに着くと、ボタンを押して飛行機の電源を着けた。エンジンを始動させ、エンジンの出力を上げた。すると、飛行機は加速した。飛行機が速度を上げると、2人は操縦桿を引いた。すると、飛行機は上昇した。だが、燃料が残り少ないためいつエンジンが止まってもおかしくなかった。すると、奥にこの星に来る時に見た黒い物体が出現した。

「機長、あそこ!」

桃音はそう言って黒い物体のところに指差した。

「ああ、分かってる。急いであそこに行くぞ!」

空から降ってくる岩を避けながら飛行機は飛んだ。すると、エンジンが止まった。その瞬間、飛行機は降下し始めた。2人がもうだめかと思った瞬間、黒い物体が目の前に瞬間移動した。そして、飛行機は黒い物体と衝突した。

「桃音、大丈夫か!」

「はい…大丈夫です。あれ、服が変わってる?」

なぜか2人が着ていた白い王の服はパイロットの制服に変わっていた。そして、無くなりかけだった燃料は普通の量に変わっており、2人の頭にはヘッドセットが付いていた。2人が混乱していると、そこには見慣れた東京の街が広がっていた。そして、目の前には羽田空港が見えていた。すると、ヘッドセットにこう声が流れた。

「Sky jspan428, RW16R, cleared to land.(スカイジャパン428便、ランウェイ16Rの着陸を許可します。)」

それを聞いて、2人はあの星に行く前の時間に戻って、その時の状態になったという事に気付いた。

「Roger, cleared to land RW16R, sky japan428.(了解、ランウェイ16Rに着陸します。)」

桃音が管制にそう言うと、健人はギアを下げた。そして、見事に着陸した。誘導路を通り、飛行機をスポットに止めたあと、いつも通りにボタンを押して、乗客が降りたあとに2人も降りた。2人はまるで長い夢を見ていたような気がしていた。


終わり

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エクスペリメント 小城海馬 @kodoku137928

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