星の破壊

「っていう夢を今回は見たんですよ。」

「面白い話だな。まるで映画みたいだ。」

桃音は夢で見た内容をまた健人に話していた。

「面白い話って、もしそれが本当ならあと少しでみんな死んじゃうんですよ?」

「分かってるって。もし本当にこの星がなくなるとしても、いざとなれば飛行機で逃げればいいだろ。」

「でも、それじゃ私たち以外のみんなが死んじゃいますよ。」

「それが問題なんだよな。もしまた同じ夢を見たらそのことをその少年に聞いてみてくれないか?」

「分かりました。」

その夜

桃音は夢の中でまた同じ空間にいた。

「また会ったね。」

「聞きたいことがあるんだけど。」

「どうしたの?」

「前回、飛行機で逃げれば大丈夫って言ってたけど、それじゃ星のみんなが死んじゃうことになるけど、それはどうすればいいの?」

「そんな事言われても、僕にはどうすることもできないよ。だって星には数え切れないくらいの人がいるんだから。その人たち全員を助けるなんて僕にはできないよ。」

「そう…じゃあ星を破壊するのをやめさせるのは?」

「それも無理だよ。僕以外の全員の研究員が星を無くす事に賛成してるから。それに、そもそも実験用に作った星は実験が終わったあとはなくさなくてはならないと決まってるから。」

「そんな…」

桃音は残念そうな顔をした。

「しょうがないよ。世の中できる事とできない事があるんだから。」

少年はそう言って優しく桃音の肩を叩いた。

「君は本当に優しい人だね。宇宙人たちとは大違いだ。」

「ねえ、もう1つ聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

「前回もうすぐしたら星が破壊されるって言ってたけど、もうすぐってあとどれくらいなの?」

「それなんだけど…実は明日なんだ…」

「え?明日?」

「うん…実はあのあと明日星を破壊する事に決まったんだ。だから、起きたらすぐ健人さんにこの事を言って飛行機のところまで行って。」

「うん、分かった。」

「あ、もう時間だからまたね。幸運を祈ってるよ。」

「うん、じゃあね。」

少年はそのまま暗闇へ消えていった。

桃音は目を覚まし、すぐ飛び起きた。そして、健人がいる部屋に向かった。健人の部屋に着くと、桃音は健人の体を揺すって起こした。

「うん…?どうした?桃音。」

「早く起きてください!」

桃音が健人の体を揺すっていると、急にとても大きい地震が起きた。その地震で健人も目が覚めたようだった。

「早く建物の外へ逃げましょう!」

健人は桃音にそう言われて桃音と一緒に建物の外へ向かった。外へ着くと、さっきまで2人がいた建物が地震によって崩れた。

「危なかった…桃音、ありがとう。」

 健人が感謝をすると、今までの揺れよりもかなり大きい揺れが2人を襲った。

「きゃあ!」

桃音は揺れのせいで倒れてしまった。

「大丈夫か!」

「すいません…ありがとうございます。」

桃音は健人に手を取ってもらい、起き上がった。

「早く飛行機のところへ向かいましょう!飛行機で元の世界に戻るんです!」

「ああ、分かった。」

2人は走って飛行機がある場所に向かった。すると、奥に見える火山が急に噴火を起こした。あまりの轟音に、2人は咄嗟に耳を塞いだ。そして、空からは火山から飛ばされてきた岩が落ちてきた。2人は急いで飛行機がある場所へ向かった。

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