①浮雲
近代文学のフロンティア。
口語というものが世に出始めた黎明。いや、ソレ自体に挑戦したはしり。言文一致体のパイオニア。それがこの浮雲である。
面白いか、面白くないか。
面白くない。
当たり前である。
~~真面目で優秀だが内気な文三と、教育ある美しいお勢は周囲も認める仲。しかし文三の免職によって事態は急変、お勢の心も世知に長けた昇へと傾いてゆく~~
岩波の表紙をそのまま引きちぎって持ってくればこうだ。どうだ?、面白いか?、嘘つくなよ、正直に考えろよ、どうだ令和人。この物語を面白いと思う脳みそがあるか?
ない。面白いわけがない。当たり前である。
違いすぎるのだ。人間のあるあるを書いているシーンはすべて明治のあるあるだ。ヒゲのはやし方を見て「あいつは出世する!、トカ、「あぁ、コイツそろそろ首だなトカ、今の人間が考えるはずがない。上も併せてツルツルが殆どである。
では本作、何が面白いのか。
文である。
いや、小説なんだからそりゃ文だろう。ト言われても、そうではない。そうではないのだ。ものども聴け。静かにせい静かにせい。
言文一致のイッチである本作は、中々にようやっとる。そこにはパソコンをパソパソ、下手をすればスマホをスマスマするだけで文を重ねることが出来る我々では予想もつかない、涙ぐましく、おぞましいほどの努力が見て取れる。
例えば鉤かっこ。最初は "「" だけで、 "」" が付くのは終盤に入ってから。拙僧が後者を書かなくなったのも、本作が多大に影響している。
句読点も面白い。句点と読点の間がいる。くりぬかれた点がいるのだ。出力ができないのが悔やまれる。意味はそのまま、チョット休めラシい。なるほど絶対に要らない。ステラーカイギュウより弱い。
他にも段落のつけ方がおかしかったり、万葉集からの枕詞が出てきたり。歌舞伎の口上を真似してみたり、やりたい放題やっている。右に左に上に下に、曲がりくねった道の先で、綾香とコブクロにトライアングルZを打たせる狂騒っぷりである。あなや。。
面白い話ではない。面白い小説を書く。
この違いに気づかせてくれたのは、間違いなく本作だ。
性格はひん曲がったし、素直にラノベを読めなくなった。なんなら現代小説なんかミリも読めなくなった。文がつまらん癖に出てくるのはアスペに頭から突っ込んだホスト崩れと、時代を三周遅れした価値観で現場をいびるブスなのだ。誰が金出して読むんだそんなモン。
後悔していない。今でも私は、最も本作を尊敬している。それぐらい人生を、小説観を、まとめてぶっ壊してくれた。それが本作、浮雲である。
語ろうと思えば長くなる。ズレてくる。それは好まない。
これぐらいにしておこう。最後に〇を二つ付けて、私も何か、文学界に一石を投じたトの自己陶酔に浸ろう。さぁサーキィはいない。自分で酔をう。。
※パソパソで勘弁してください。だってねぇ、実際に聴いたらパコパコなんですもん。
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