令和発の伝奇物語は、桜舞い散る美しさ
- ★★★ Excellent!!!
最近、あまりお目にかかれなかった気がします伝奇モノ。
美しくて、でも時に苛酷で、そして儚く。耽美で。久しく読んでいなかった、そんな物語に出会えた気がします。
鬼には人の肉を喰わないといけない年齢がある。それが「喰齢(クイノトシ)」
その喰齢に翻弄される少女と少年、そして少女の物語。
喰う鬼。
狩る鬼討師との、儚すぎる運命に翻弄されながらのラスト。背筋が寒くなりながら、どうしてか。美しさを感じてしまうのが、この物語の魅力でしょう。
桜舞い散る美しさは、ある意味では選択したら戻れない、青春の残酷さに似ている気がします。