第17話 運命ってあんのかな
次の日、朱里について行く作戦が始まった。
「ちなみに、今日はどこへ仕事に行くんだ?」
「えーと、東京ですね!」
「ん?」
「東京ですけど…なにか?」
「金曜日とは言えな?
月曜日からついて行くわ!じゃあな!朱里!」
「ゆーきーむーらー」
「ハイッ、姉貴!一生ついて行きます!」
幸村は乗り気ではなかったようだ。
学校から空港までタクシーで移動した。
「伊丹空港来るの中学の修学旅行ぶりだな…」
幸村は少しテンションが上がったように感じた。
「修学旅行は楽しかった?」
「そりゃもう、中学で俺的には1番楽しかったな」
「そう、私は修学旅行、仕事の影響で行けてないから…」
「そうか、なんかごめんな」
「ち、違うよ、今が修学旅行の
延長線上みたいな感じでめっちゃ嬉しいの!」
朱里は涙ぐんだ目で幸村のことを笑顔で見た。
しばらくして飛行機に乗った。
「ファーストクラス乗ったの初めてだわ…すげえなこれ…」
「そうでしょ!私も初めて乗った時は感動したわ!」
いつもの朱里に戻ったようだ。
「そう言っとけば、今回1円も出してないけど大事なのか?」
そう言いながら、幸村は財布を取り出す。
「いいの!事務所が基本負担してくれるし、
どうせ後々、口座が一緒になるんだからね!」
「おい、それ結婚するってことじゃねえか」
「ダメ…かな?」
朱里と幸村は身長差は無いものの朱里のスキルが光る。
(はっきり言って、めっちゃ可愛い…)
「い、今のところはな…」
「そう言って、本当は可愛いと思ってる癖に(笑)」
朱里は笑顔で言った。
東京に着いてからは幸村もよくわからないまま、
撮影が始まろうとしていた。
「今日、成瀬さん(マネージャー)は?」
朱里が現場に居た事務所関係者に聞く。
「あれ言ってなかったけ?
マネージャー1人となると、残業時間が
過労死ラインの120時間を優に超えるから、
もう1人マネージャーが今日から来るのよ」
事務所関係者の人が言った。
(今さらっと芸能人の闇の部分が見れた気がする…)
幸村は、芸能関係の闇を見てギャップが凄かったようだ。
「そんなこと言ってたら来たわよ!新しいマネージャー」
「遅れてすいませんー」
後ろから声が聞こえて、幸村達は振り返る。
「あれ?ナスーチャ?」
そこにはナスーチャが居た。
「本当にあなたきたのね…」
朱里が言う。
「朱里さん達!私置いて行くのひどいですよ!」
「私は置いて行くつもりはなかったんだけどね…?」
(なんでゆきむらとの
幸せライフを邪魔されないといけないの!?)
一方幸村は、
(待てよ、これ泊まる時どうするんだ?
これどう転んでも2人のどっちかと同じ部屋じゃね?
そんなことしたら、
既成事実作られて一発KOじゃねえかよ!
まずい、まずすぎる!!!!!!!!!!!!!)
幸村は今後のことを考えて悩みに悩んでいたようだ。
色々あったが、今日の撮影は素早く終了した。
「流石日本topのモデルだな…
ポージングの速さと形がプロすぎたよ…」
「でしょ?いっぱい努力したんだから!」
「朱里さんは何でモデルをしてるんですか?」
「なに?それってモデルやめろってこと?」
ナスーチャの質問に朱里は噛む。
「おいお前ら仲良くしないと俺帰るからな」
「フンッ!」
「で、何でモデルをやってるんだ?」
「んーそうだね、
小さい頃に好きな子が居たんだよ、名前は分からないけど
でもその子はどうやっても振り返ってくれないし、
考えに考えた結果芸能人になればいい!って思って
なったものの、その子は見向きもせず会えなくなって、
気づいたら芸能の活動が好きになってた?みたいな感じ?」
「その子が今目の前に
現れたらその子のこと好きになるんですか?」
ナスーチャが聞いた。
「ゆきむら一筋と言いたいけど、もしかしたらかもね…」
「どんまい、ゆきむらさん!」
「なんか俺振られたみたいになってない?」
運命なんてものはこの世界に存在するのであろうか
運命は偶々の連続による思い込みに過ぎないのかもしれない
運命という言葉に左右されず今を生きることができれば
運命という概念自体を遥かに凌駕する物が現れると思う。
結論から言うと、“君がいい”と伝えるべきである。
高校生ワイ、男女比1:99の高校に入学してしまった件について @nattiii
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