埃立つ
決まり切った結末を語るために、
いかにも婉曲な表現ばかりを好む
散々遠回りした挙句、得られた情報は些細なもので
結論は何一つも変わりはしないのだとわかっている
あるいは、あえて家から遠ざかる道を選んでいる
知らない道を歩いているだけで未知の知識を得たような気になって
自分が少しだけでも成長したような気がする
自己陶酔に浸るための上手なやり方の一つだ
それがナビゲートされた結果であったとしても、
意志を甘んじてゆだね、その道筋を選んだ以上は変わりないことだ
どうしようもないことばかりがぐるぐるとめぐって、
木の上に登っておびえているうちに朝が来る
ずっとあの子の隣にいるために
あの子にとって恥ずかしくない自分でありたい
あの子に釣り合うのは難しくとも
隣を歩いてて恥ずかしくないくらいのやつにはなりたい
小さな気づき
そのために、自己肯定感は必要ない、限りなく低く保つように
現況の、すべての原因は僕にある
恵まれなかったくせに、尽くさないつもりか?
爪の先まで、秒針の一つ一つまで、全神経をそそいでこそ意味を得るのだ
けれど、気丈に振る舞わねばならない
不満を匂わせたり不機嫌を泳がすのは良くない
濁ったような感情はすべて蓋をして抑え込んで
香ることの一つもないよう注意せねば
崖下に突き落とされたような日々が続いていて、
凍えるような風ばかりが吹き込んでくる
それは季節の所為なのか、地形の所為なのか、
あるいはここにいる僕自身の所為なのか
上を見ても陽の光が照るばかりで、外の様子は何一つわからない
ただどんよりと人影がうごめいていて、
落ち込んだ時には僕を笑っているのだと泣いてみたりもするけれど
冷静になれば、こちらを見ているわけでもないのだとわかる
向こうから見下ろせば、きっと薄暗い中に人影なんて見えなくて
どんな風が吹いているかなんて気にとめる暇もなくて
どんな匂いがするのかなんて、考えることもないのだろう
気まぐれに岩肌に手をかけて、
あまりにも粗雑な壁に皮膚が悲鳴をあげて
せめて手袋を買ってからにしようと先送りにする
手袋を買う手立ては全く見つからず、
やがて探すふりばかりをするようになってしまった
何かが落ちてきたと思ったら、爆弾だった
爆弾はあっという間にあたりを殺風景にして
冷え切った風を曇り濁った風に変えてしまった
僕はこの場を離れる他なくなって、
、訂正
離れる口実を得たようで、重い腰をあげることにした
いつまで、続くのかもわからない
もうすでに、土ぼこりは晴れてきたようにも思う
ただもう少しだけ、目を凝らしても先が見えない生活に浸っていたい
民間療法に頼らなくては、もう動かない身体なのだ
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