第16話 二番目の引出
豊三は、半月ほど経った日の夕刻、家族や弟子たちに囲まれて
「じいちゃん、なんか変だよ」
と云って来たのが昼過ぎだった。
病間に入ってみると、豊三はうつ
「親方、どうしなすった」
急いで
佐吉の声を聞くと、豊三は薄く目を開け
「うう上から二番目だ。俺が死んだら見てみろ、お前のもんだ。おおお前しか分かれねぇ」
と
そして、佐吉を見て、
「ありがとよ」
医者をすぐ呼んだが、もう
翌日の葬儀はさらに大勢の参列者で
大工仲間たちは口々に、
「四代目、これからは、あんたがしっかりしないといけねぇよ」
「四代目、これからは、あんたがこいつらを
と云ってきた。
そのとおりだが、四代目と呼ばれるたびに、何やら心に重たいものがのしかかってくるように思われた。
梅二は、葬儀にはやって来ず、代理の者をよこしただけであった。葬儀の最中に、ひと
「梅二の野郎はどうしたんだい。えー。お前なんか来なくたっていいんだよ。梅二を連れて来いと云ってんだよ。あれだけ世話になった親方に手え合わせることもできねぇのか。梅二のゲス野郎は」
すぐに、周りの者たちで収めたが、甚五郎の声は参列者のほとんどの耳に残った。それは、そこにいた誰もが思っていた事だった。特に、梅二に仕事を奪われたことのある大工たちにとっては、
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