第8話 喧嘩
佐吉は、梅二が豊三の元を飛び出して以来、二度ほど会ったことがある。一度目は、飛び出して一年も経ない時だった。遠縁の爺さんが死んだと云うので通夜に顔を出した帰りだった。
「こりゃ佐吉兄さん、お久しぶりで」
梅二はかなり酔っていた。
「お美代ちゃんと
「ああ、ありだとよ」
「お美代ちゃん、いい
梅二は酒臭い口を近づけてからかった。
「梅二、お前ぇ何が云いてぇんだ」
佐吉は声を荒げ、梅二の
「
たちまち二人は大勢に囲まれた。佐吉は、それを見て我に帰り、梅二から手を離した。
「なんでぇ、やらねぇのかい」
「なんでぇ、いつまでも
ちなみに、江戸と云えば『
このことからは、元禄時代の事件を扱った物語講談、忠臣蔵に出て来る『夜泣き蕎麦屋あたり屋十助』に身を隠し吉良邸の内情を探る
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