第3話 消しゴム落とし

「ねえねえ、消しゴム落としってロマンじゃない?」

桜井がそう言った。

「どうした急に。」

「クラスでさ、ぶり子ちゃんが消しゴム落としてさ拾おうとしてくれた人と「あっ」てなって見つめあってた。」

「なるほど?」

ぶり子ちゃんってぶりっ子のことかな?

「で、私もやってみようかなって思って。」

「なるほど?」

「ちょ、次の授業でやるから見てて!!」

「わかった。」

って言ったのは良いものの、あいつのことだから何かやらかしそうなんだよね。

そう思い、桜井をみつめてみる。

桜井の机の上を見ると大量の消しゴムが。

えっ?

何でそんなにたくさんの消しゴム並べているの?

「よし。」

たくさんの消しゴムを並べ終わると、桜井は小さくそう呟いた。

そして、一気に消しゴムを落とした。

えっ?

まじで何やっているの?

多いわ!

多くない!?

周りの人たちめっちゃ驚いて桜井の方見てる。

そして、消しゴムを一個ずつゆっくりと拾っていく。

そして、何とか全部拾い終えた。

「えっと、桜井さん?なんっ。ふふっ。何でそんなに消しゴムを、持っているんだい?ふふっ。」

必死で笑いをこらえながら先生が桜井に聞いた。

「え?普通このくらい持っているでしょう?」

桜井は平然とそう答えた。

いや、普通そんなに持っていないと思うよ。

みんな持っていたとしても2、3個だと思うんだけど。

その後、クラス中で桜井のことが話題になったのは言うまでもない。

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その少女は天然なのか? 藍無 @270

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