てん お墓参りと双子(4歳)

第116話

ハイネside



「ごめんね、蓮くん疲れてるのに……」



「あ?俺はきちんと寝てるから全く疲れてねぇよ。だから大丈夫だ」




蓮くんがニカッと笑ってくれる。



現在の時刻は朝の7時過ぎ。



あたしと蓮くんは仲良く二人でキッチンに隠り……おにぎりをニギニギ中である。



今日は父と母のお墓参りに行く日。



八千流とハイドもいるので、お腹が空いた時にいつでも誰でも食べられるように、おにぎりを作って持っていくのだ。。




「にしても他の奴らは何してんだ、全く。手伝いもせずっ」




美しい三角のおにぎりをニギニギしながら蓮くんが怒る。




「八雲さんはお仕事、竜希さんは夜勤で桂はずっと撮影だったみたいで二人とも寝てる」




疲れてるだろうから、行かなくていいよとは言ってあったのだけれど、二人とも来てくれた。




「麻也は今、あの通り」




あたしはあたしで見事なGANT◯玉……もとい丸っ丸のおにぎりをニギニギしながら答える。



あたしの視線の先はリビング。



蓮くんもそっちに視線をやると、そこには麻也VS八千流の姿が。




「なにやってんだ?麻也の奴」



「あたしがね、双子の着替えを頼んだんだけど」




だけど……




「今日はコレを来て下さい」



「のんっっ!!」




麻也が差し出す黒と白のスカートフワフワワンピースを断固として拒否し続ける八千流。




「八千流」



「のんっっ!!」




さっきからあの子「のんっっ!!」としか言ってないし。



まだ時間もあって面白いから放ってるんだけど。




「八千流ー。なんでそれは嫌なんだ?可愛いぞ」




蓮くんがキッチンから八千流に声を掛ける。




「レンレン!レンレンだって!」




ダダダダダダッとこっちに走ってくる八千流。



我が娘ながらやかましい。



おもわず笑ってしま……




!!??




「ちょっちょっちょっっ」



「チビネ?」



「まま?」




蓮くんに抱き上げられた八千流を見る。



寝巻きだと思ってた八千流は全く見たこともない服を着ていたのだ。



追いかけてきた麻也を見ると




「知らないよ。俺が見た時にはもうこれを着てた」



「嘘でしょ!?」














マジで!?

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