第95話

…………


………





「うん、うん。わかるわぁ~。すぐご飯作るからね~」




……ん?


んん。




「あら、ハイドはお腹空いてない感じ??ダメよ~。ハイドは男の子なんだから、しっかり食べて大きくならないと~」




!!??



そう……だ


俺は……




「八千流っ!!ハイドッ!!」



「「「!!??」」」




起き上がりベビーベッドを見ると二人の姿がないっ。



どこへっ!?




「きゃーあっ」



「うーっ」



「まっパパが起きたわよ。二人とも」



「!?」




ハイネ……??



じゃないっ!!



声も違うし、背格好も全然違う。



……知らない女が、八千流を抱っこし、ハイドをおんぶしてキッチンに立っていた。




「誰だっ!?」




どうやって家にっ!?



鍵はかけてあったのにっ。




臨戦体勢を取る俺に




「誰だ!?ですって~。ちょっと八雲、私のこともわからないの~?」




と振り返った女。




「ブハッ!!」




おもわず吹いた。




「やだっ、人の顔を見て吹き出すなんてっ」



「ブサイクッ!!」



「あ"あ"??」




それはパッツン前髪におかっぱ頭の竜ちゃんだった。




「ブサイクッ!!」



「2回!?2回も言うかっ!!」



「大事なことだから」



「いやいや、いっそも大事くないわっ」



「「きゃーぁっっ」」




俺達のやり取りに、双子がご機嫌に笑った。

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