第89話
「ハイドッ!!」
車で真木家へと帰った。
車に乗ってる間も大事に大事に、りんごの盛りカゴを抱きしめていたハイド。
車を停めてハイドをチャイルドシートから下ろしていたら玄関の扉が勢いよく開き……
血相を変えたチビネが飛び出してきた。
「ままっ!!」
「チビネ……」
下ろしたハイドの元へ転がるように走ってきたチビネはパチンッとハイドの頬を叩いた。
「チビネ!?」
……まっ、まさかと思うが、言って出なかったのか!?ハイド!!
叩かれてビックリしたハイドの瞳にみるみる涙が溜まっていく。
「黙って何処に行ってたの!?ママッママ、ハイドが居なくて……どれだけ……」
チビネの瞳からもボロボロと涙が零れた。
「ままっ。ままっ。ごめんなしゃー……」
「無事で良かったぁ……」
りんごの盛りカゴごとハイドを抱きしめるチビネ。
「はいどっ!!」
オデコに冷えピタを貼った八千流まで出てきた。
八千流、熱は!?
そして二人に抱きつく。
「ばかーっ、ばかーっ、、はいどーっ!!」
「ごめんなしゃー」
わんわんと泣く3人が愛しくて、その3人を一気に抱きしめる俺。
「さぁ、ハイドが頑張って買ってきたりんごを食べよう」
3人が同時に俺を見、そしてハイドが大事に抱きしめていたりんごの盛りカゴをチビネと八千流に差し出した。
「わぁッ!りんご、いっぱい!」
「……ハイド、八千流のためにこれを……??」
「話は中でな」
まだ熱のある八千流を早く家の中へ。
俺は八千流を抱き上げた。
まだまだ体が熱い。
チビネはもう一度、しっかりハイドを抱きしめて抱き上げると、皆で家の中へ入った。
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