第72話
「お仕事終わったの??」
「こんなのを見せられたら、さっさと終わらせるしかないだろ」
"こんなの"で見せられたのは八雲さんのスマホ……に写ってる、カエルの雨合羽を着て葉っぱ傘でニッコリ笑う双子の写真。
もちろん、パパに一番先に送りましたよ。
でもまさか、それ見たさにこんなに早く帰ってくるとはっ。
あたしの腰を抱きながら、双子を見て満足げに頷いてる。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
いつものように"おかえりなさい"のキスをしようとしたその時
「「………………」」
熱視線をね……
熱視線を感じまして……
そっちを見れば……双子+雪代さんがジーっとこっちを見てましたね‼
のぁあああああっ!?
双子は見慣れてるからいーけど、雪代さんがっっ!!
「あっ」
八雲さんから離れる。
雪代さん、その微妙な表情は……
いや、うん。
すみません、変なものを見せようとして……。
「八千流?ハイド?」
二人がこっちを見てモジモジしてる。
正確にはあたしを見て。
ああ、そっか。
あたしはしゃがんで二人に向かって手を広げた。
「「まま!!」」
あたしとは仲直りがまだだったね。
「ぐほっ!?」
全力で飛び込んできた二人に尻餅をつきそうになった所を、八雲さんが支えてくれて転ばずにすんだ。
「「ごめんなさぃぃぃぃっっ」」
「うん。ママもごめんなさい。付いて行かないって言ったのに約束を破って」
そう言えば、仲良く同時にプルプルと首を横に振って、"いいの"と言ってくれる。
「「まま!!」」
「ん?」
「「だいすきっ!!」」
泣き笑いでもう一度抱きついてくるもんだからっ
可ーーーー愛ーーーーーいっっ!!
我が子達可愛いーーーーーっっ!!
「ママも八千流とハイドが大好きだぁぁぁっ!!」
腕の中に居る二人を、これでもかってほど強く抱きしめれば
「「むぎゅうううううっっ」」
苦しがられたよね……。
「そだっ!!」
「そだ、そだ!!」
二人があたしの腕から抜け出し再び雪代さんの元へ。
「「「????」」」
「「ユッキー、はい、どうぞっ!!」」
二人が雪代さんに何かを勢いよく差し出した。
あっっ!!
そういえば店主さんが
「珍しいモン買うんだな」って言ってた。
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