第71話

「八千流!!ハイドッ!!」




雪代さんが二人に向かって行こうとするから止める。



今行ったらまた"嫌い"って言われるからっっ。




「パパ~!!ごめんなざぁぁいっっ!!おはなっっしっっきくっっからっっ」



「ぎらわないでぇぇぇぇっ」




……どうやら話を聞かない子は嫌い。



みたいなことを言われたのかな?



しかしあの子達、パパ大好きだからねー、それはギャン泣きだわ。




「本当?」



「「あ"い"……」」



「ん」




双子の返事に八雲さんは二人の頭を撫で、また抱きしめる。




「「パパ!!パパ!!」」



「大っ嫌いなんて嘘だよ。二人共パパの大切な宝物だ。愛してるよ」



「「うっっぐっっ、ひぃぃぃっく!!」」



「話を聞いてもらえず、大好きな人に大っ嫌いなんて言われるのがどんなに悲しいかわかったか?」




二人の目を見て言う八雲さん。



ハッと二人がこっちを見た。



そうそれはさっき二人が言ったこと。




あたしと雪代さんに。




あーあ、あんなに泣いちゃって……。



大きなまん丸猫瞳からボロボロ溢れる涙。



抱きしめてあげたいけど、グッと我慢。




「ユッキーはな、中々大好きな八千流とハイドに会えないから、二人の成長記録を撮りたかったんだ」



「ひぃぃぃぃぃっく!!うっっ!せーちょーきおく…?」




記録ね、記録。




「うぅぅぅっ。」



「ああ、はじめてのお◯かいにもカメラマンさんが付いて行ってるだろ?アレと同じ。二人が頑張ってる姿を撮って二人に会えないとき、ソレを見て元気をもらおうとしてただけなんだよ」




八雲さんの言葉に首を傾げてた二人だったけど、意味がわかった瞬間。




「「ユッキーッ!!」」



「八千流!!ハイド!!」




二人は八雲さんから離れ、雪代さんの元へ。



雪代さんはそんな二人を深く抱きしめる。




「ごめっっ、ごめなしゃっっ」



「ユッキーぃぃっ。ごめなしゃっっ、きらいなんてうそっ」




ハイドの言葉に八千流が頷き














「「だいすきだよー!!」」





号泣。




「ああ。俺も二人が大好きだ。悲しい思いをさせてすまなかった」




その謝罪をしっかり受け止め、雪代さんも謝る。




ほっ。



どうやら元通りみたい。




安心してたら八雲さんが来た。





「ありがとう」



「ああ」




あたしでは、あんなに上手く収められなかった。




お礼を言うと、頬に手を添えられオデコにキスされる。

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