第44話

「ああ!ハイネさん!八千流ちゃん!ハイドン‼」




ハイドン!?




"黒豹"の車庫の前を通る。



雨だから皆車庫の中みたい。




双子のペースでゆっくり歩いてたら呼ばれた。




てか、ハイドンって・・・何??




「ぬぉぉぉぉぉぉ‼超絶可愛いッスねーーー!」



「ほぉあっ!?」



「おおおおお」




車庫のドアが開き、男の子が1人出てくる。




その子に八千流とハイドが目にも止まらぬ早さで抱き上げられる。




「あっもちろんハイネさんも可愛いッスよ!しかし俺の腕はもう埋まってしまっていて・・・・」



「にゃはははは、くすぐったぁぁぁぁ‼」



「おおおおお」




高速で二人のほっぺを自分のほっぺにあて、グリグリするこの男の子。




「可愛いッスーーー‼」




キャッキャッと笑う二人。




「久しぶりね、晃。あたしの腕も八雲さんとこの子達で埋まってるからハグは必要ないよ」



「おおぅ。相変わらずクール。カッコいいッス!」




クール??




この子は"黒豹"7代目副総長、仲村晃。



とても暴走族に入ってるとは思えないほど明るく人懐っこい。




竜希さんをリスペクトしてるらしく・・・・解せぬ。



金の短髪に垂れ目の愛嬌ある顔。



身長は170㎝くらいか・・・?




"シャーウッド"で働いてるから、必然"黒豹"とは関わり続けてる。




この代の子達とも仲良くなり、買い出しやらも手伝ってくれてる。





特に晃は子供好きでよく八千流とハイドと遊んでくれるのだが・・・・ロリショタらしく・・・危ない。





「違うッスよ!俺が好きなのは八千流ちゃんとハイドンだけッス!後は芋ッス!」




おいっ!

子を持つ世のお母様方に謝れ!




母は我が子が一番可愛いのだ。





「糸ーっっ‼お前の愛しいハイネさんが来てんぞー!」



「ぞー‼」



「いとーーっっ」





未だに晃に抱っこされたままの双子達が彼を真似して叫ぶ。






バタァーーーーーン‼




ド派手にドアが開く音がした。

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