第40話

なんか泣きそうだし。




「そらー。なかない」



「ないたらあっかーん」




ハイド??

それ、拓実の真似??

なんで?




「だぁぁぁぁってぇ、アレ絶対に告白だぁぁぁぁぁ」




竜希さんに長年片想いの(長い・・・長すぎるっっ)空。




空が奥手すぎるからか、竜希さんが鈍感すぎるのか、中々くっつかないこの二人。




女の子の方は、いつも学校帰りに竜希さんに絡んでる、ちょっとギャル系の女の子達のようなタイプではなく大人しい清純そうな子だ。




竜希さんを呼び止めて真っ赤な顔をしてる。




「おっ。あんた、この前の」



「ハッハイ‼この間は本当にありがとうございました‼」




覚えててもらえたのがよっぽど嬉しかったのか、潤んだ目で微笑む女の子。




「このっっこの前って何!?ねぇっ‼」



「知らんがなっっ‼‼」




ゆーさーぶーるなぁぁぁぁぁぁ‼‼




「キャッ!キャッ!まま‼へんっっ‼」



「そら!はいどもそれしたい!」




変って何!?八千流‼



双子が空の周りをウロチョロしだす。




「あのっコレその時のお礼です‼」



「おー。お礼なんていいのに。ありがとなー」




照れ笑いを浮かべる竜希さん。



人の役に立ちたいと警察官になったんだもんね。


きっと良いことをしたんだ・・・・


した・・・




「なっ何!?何!?」



「なに?なに?」



「なにぃ?なにぃ?」



「知らんがなっっ」



「「キャー‼」」




気に入ったらしい・・・・。


あたしを揺さぶるのを・・・。



双子まで空と一緒になってあたしを揺さぶりにかかる。



うっ・・・・ちょっと酔った・・・。




女の子が竜希さんに渡したのは綺麗にラッピングされた小袋。



クッキーだな。

クッキーだ。




「ハイネー」



「知らないよ。もう。そんなに気になるなら、さっさと告白して付き合いなさい‼」



「それが出来たら、こんなとこに居ないよー」




確かにな‼


これで暴走族の総長だったってんだから驚きだ。



涙目の空。



ダメ‼もう甘やかさないんだからね‼




「まま‼やちがぁぁぁぁ」



「え!?ハイド!?って‼」




八千流ーーーーーーーー‼??




「あのっっお巡りさん‼」



「へいっ‼‼」



「私、お巡りさんの・・・・」



「りゅーき!りゅーき!やちっっやちそれたべたい‼」




いつの間にか竜希さんの側にいた八千流が真っ直ぐ竜希さんに向かって手を伸ばしてる。




八千流ーーーーー‼‼













「カエルーーーー‼??」

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