第39話

唐突にそんな声が聞こえてきた。



お巡りさんって・・・。



一人思い浮かぶけど、まっさかねぇ・・・・。




「まーまー、おまーりさんってぇ」



「まーまー、りゅーきー??」




その声に興味を引かれたのか、双子があたしの足元に集まってきた。



くるっくるの大きな瞳を輝かせる二人。



可愛い‼



可愛いカエルさん達を激写。



二人とも、いつも全力で遊んでくれる竜希さんが大好きだもんね。



あたし+双子は、お巡りさん=竜希さんという構図が出来上がってしまっていて・・・



いやー、それじゃあいけないね‼


他のお巡りさんに失礼・・・・





「なんだ!?なんだ!?事件か‼??」




なんでだっっ!




てか・・・・。



聞き慣れすぎた声にソロ~っとソロ~っと大きな紫陽花の葉っぱに体を隠しながら目だけ出してみる。




ん。


竜希さんだった・・・・。



まごうことなき、あのおバカ面は竜希さんだ。



竜希さんと・・・女の子??




「ままー、なにみてるのー?」



「ままー、りゅーきのこえー」





おおぅ。



我が子達よ。


ちょっと静かにしてようね。



状況がわからない今、双子を竜希さんの元へ向かわせて良いものか・・・・。




「二人ともちょっと"しー"してようね。竜希さんお仕事中だから」



「「しー??」」



「そう、しー」




3人で顔を寄せ合って人差し指を口にあてる。




「ん。はいど、しーできる」



「ん。やちもできぅ‼」



「よしっ‼‼良い子達‼」




そう言って二人の頭を撫でてれば。




「お巡りさん‼」



「だから事件か‼??」




だからなんでだっ‼‼




竜希さんはカッパを来てチャリに乗ってた。



見回り中かな??




そして女の子は・・・。




「ぬぐぐぐぐぐ」



「っっ‼??」




突然すぐ近くで呻き声がして、あたしはおもわず奇声をあげそうになった。




「まま‼しーよ‼」



「まま‼しーっ‼」



「ほめん、ほめぇん」




双子に凄く怒られた・・・・。



口を押さえられたあたしは、目を吊り上げて怒る双子に謝るしかない。




そして。




「そあ」




あたしの口を押さえている人物を見る。



それは"紅蓮姫"元総長の空だった。

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