第38話
「まま‼カエルしゃん‼見てっっ‼やちるたちといっしょ‼」
「え!?どこ!?やちっっ、どこ!?はいどもみたい‼」
「落ち着きなさい、ハイド。転ぶから」
「はいど。こっち」
「おおおおおおおおっっ」
二人は並んでしゃがんで葉っぱの上に乗っかってるカエルを鑑賞中だ。
あたしから見れば後ろ姿のこの二人も立派なカエルだが。
あれからあたし達は遊びに来るはずだった公園に来ていた。
「まま‼やちっっ‼ちょっちゅね‼ちょっちゅね‼」
ハイド‼??
なんか沖縄の元プロボクサーみたいな言葉になってるけど、どした‼??
「ちょっちゅね!?」
「もしかして、こっちって言いたいの?ハイド」
「そう‼」
力強い肯定だった。
ちょっと笑ってしまう。
男の子だからか、ハイドの方が好奇心旺盛だ。
「かたちゅむいしゃんっっ‼」
「ほっ‼ほんとだっ‼かちゅちゅむいしゃんっっ‼‼」
なんだと‼??
ごめん二人とも、ママ何言ってるかわかんないわ・・・。
だから二人が見てる方を一緒に見れば、そこにはやはり葉っぱの上に乗っかってるカタツムリがいた。
ああ。
カタツムリさんね。
「って、ハイド‼」
「ん?」
「いきなり掴もうとしない‼カタツムリさんがびっくりするよ‼‼」
「まま‼こえがおっきいよ‼カエルしゃんがにげたぁぁぁぁぁぁ・・・・」
「あぁぁぁぁ。ごめん、八千流‼」
「かたむちゅいしゃん、びっくいする?」
「うん。だから、掴まずそっと見ようね」
「あい」
コクンと素直に頷くハイド。
ちょっと膨れっ面の八千流。
そこにあった石を蹴り・・・
「おおぅ」
あたしの脛を直撃。
全く痛くないんだけどね。
そんなにカエルを気に入ったのか。
んー。
「まま。ごめんなしゃい」
シューンとした八千流が謝りに来る。
「ん。ママは大丈夫。ママもごめんね、八千流カエルしゃん見てたのにね」
「またしゃがすのよ‼」
「よしっ、ママも手伝」
「おまわりさんっっ‼‼」
カエルを探すために立ち上がれば、そんな声が聞こえてきた。
「「「ん??」」」
おまわりさん??
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