第34話 平和のために
「うちの子はどこに行ったのだ?」
「今私の中に居ます。先ほどの魔法で中の方まで凍りそうだったので、とりあえず私と一つになって治療してます。以前にもしたことが有るので大丈夫だと思います」
「そうか……それはありがたいが龍は対魔法の防御も高く治療魔法も相当な魔力がないと出来ないんだ。もし無理なら我らの里に連れて行けば治せるもの居る。それまで延命さえしてくれれば……」
「心配ないようです。もうかなり元気みたいです。とりあえず出てきてもらいますね……。(嫌だ出たくない)いやそう言わずに出てきてください。ご両親も安心できますし」
魔法を使い分離した。ほとんど傷もない龍が出てきた……出てきたのだが、「もう少し、もう少しでいいからあなたの中に居たい」と言う発言で俺は皆に見つめられた。何もしてないよ。
「と、とりあえず無事のようなのでこれからの事を話し合いましょうか?」
「それは私との将来について考えて貰えると言う事ですね」
「そうではなくこの国との関係について話し合いたいと」
「簡単な事です。この次世代最強と言われた私を簡単に倒し、治療まで出来るその力。あなたが普通の人間の訳がない。龍は結婚するとき自分以上の能力を持つものと出来る事が幸せと言われている。ということでセート私と結婚しろ。異論は認めない。こんな最高の相手など2度と見付かるはずがない」
「あの……お父様お母さま。娘さんはこんな事を言っておりますが人と龍の結婚なんて無理ですよね」
「今までの常識では無理だな。でもなんか常識外の人間が今目の前にいるんだ。娘の幸せも叶えたい。少し考えてもらえないか?」
「あのそれ以前に踏まれただけで死にそうなぐらい大きさが違うのですが」
娘の方を見て「お前も人化の魔法出来るだろ。そんな上からではなく相手に会わせた大きさで話さないか?」
「分かりました」というと光に包まれた。嫌な予感がしたので上着を脱いだ。
予想通りだった。龍は服着ないよね。服を着てない女の子が現れたのですぐに上着を着せた。
一応不思議な光で周りからは何も見えなかったらしいが、俺は光を感じなかった。
「もう私の全てもお見せいたしましたし、龍族でも上位の私と結婚すれば龍族と仲良くできますよ。普段私は他の龍なんかに興味なかったし弱いやつばかりで退屈でした。しかしあなたは何ですか?あの魔法の強さ、負けた相手を助ける。そんなこと出来るのは龍族でも居ません。もうあなたしか考えられません」
「あの、結婚と言うのはお互いを知り合ってから……」
「もうあなたとひとつになったでは有りませんか。あの時あなたの考えとかも分かりましたわ」
「あ~そうだね、そうだ君の名前は?」
「私たちは固有の音波みたいなもので個人を特定できるので名前と言うものは基本有りません。人間が勝手に付けるときも有りますが。出来たらあなたに名前を付けてほしいです。
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