第27話 エルフたち

 今日はエルフのコデマリが来ていた。

「最近引っ越してきたエルフ達のお世話をしてたら会う時間がなくてな。いつ会いに来てくれても良いのだぞ」

「こちらも色々有ってな。今も教国からの使者が来てる。長旅で疲れてるみたいだし想定外の事も起こったから多分今後の対応を今考えてると思う」

「そうか……それは分かったが、その猫はどうしたんだ?凄くなつかれているようだが」

「猫かわいいよな。寝てたらいつの間にか布団の中に忍び込んでくるし。冬は最高かも」

「一緒に寝てるのか?」

「何か問題ありますか?」と今まで黙ってたしろが急に話しだした。

「話す猫か?初めて見た。まあ動物と寝るぐらいは可愛いものだが」

「言いましたね」猫は人型になった。

「とりあえず服を着て。着替がえないとこでは変身しないで欲しい」

「あら?興味ありそうな視線を毎回感じますが?」

「どういう事だ?毎晩女と寝てるとなると話は変わる」

「先程可愛いものだと言ってませんでしたか?」

「これだけかわいい猫人族と一緒となると話は変わる。そうだな……ここは私も毎晩護衛として共に寝ようか?」

「あら?可愛いと言ってくれるのですね。貴方の考えは分かります。とりあえずあの4人レベルまで上がらないと結婚できませんしここは手を組みませんか?」

「あの、そう言う事は俺の居ないところでだな……」


 二人で作戦を考え出してる。ここに狙われてる本人居るのですが。

しかし先程から動かないドア付近の気配は何だろう?

「……と言う事で協力しようではないか?」

話しが終わりそうだな。

「悪いそろそろ着替えて仕事するよ。一応言っておくが部屋の中に許可なく入らないでね」


その時ドアの外から声が聞こえた。

「サザンカです。今少しよろしいですか」

「今から着替える。少し待ってくれ」

「分かりました。着替えを手伝うのも妻の役目ですし入りますね」

いや分かってないだろ。


「で、この方たちは何ですか?セートさん?」

「本日の侵入者です。現在精神的に被害が出ております」

「そうですか。まずはしろ様、人の姿で一緒に寝るのは禁止しましたよね。寒い日に猫の姿でなら私たちと一緒に寝るのは許しましたが。コデマリ様最近お忙しそうでしたので話す機会も有りませんでしたが、久々に会った場所が私のセートの部屋の中とは。勘違いはしないで下さいね。婚約されることには反対は有りません。但しこちら側にもルールが御座います。今のセージの妻たちと円滑に関係を築きたいなら先にご相談ください。」


「わ……私は猫の姿で偵察してくるよ……じゃなくてしてくるにゃ」しろは逃げ出した。しかしあの語尾は何だ?また誰かに何か聞いたのか?

「しろさん……語尾の”にゃ”は似合ってますよ」サザンカもしかして君が?

「サザンカ、相談したら共に寝てもいいのか?」


「はい。しかし本来ここはセートさんが休む場所となっております。睡眠不足は怪我や病気の原因と聞きます。ですから疲れるようなことは、今はまだ厳禁です。でも私としてもこれから末永くコデマリ様とも仲良くしていきたいと思っておりますので、疑問、要望が有れば随時相談してください」


「ありがとうサザンカ。身分で言うと私が上だがここではサザンカが先輩だ。様など要らぬ。コデマリと呼んではくれぬか?仲良くするのに身分など出すほど無粋な事はしたくない。出来れば対等に扱って欲しい」


「わかり……わかった。よろしくねコデマリ」

「こちらこそよろしく」


何かねいい話風だが、俺今着替えたいのだけど……まだ続くの?……サザンカと目が合った。


「ねえ、コデマリ将来の練習として今からセートさんの着替え手伝う練習をしませんか?」

「それはいい考えだ!ぜひそうしよう」


コデマリが翻訳機みたいな返事をした。


そんなことをしているとモモとツバキとローズマリーまで来た。


もう一人で着替えたいのですが……


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