第26話 情報が広がって行く
異世界人勇者であるセートが新しく人が集まって出来た国の代表となる。
その情報は教国と王国にすぐに伝わった。その際3人と結婚すると言う内容も共に。
各国では対応を考えていた。今まで戦闘経験のある教国は素早く対応した。
捕虜となった獣人や教団幹部の娘を集め平和のための嫁候補として送り出した。教国としては勇者と敵対はしたくない。元勇者の国が勇者の敵になんてなってしまえば離反する者も増えるだろう。
とりあえずできるだけ仲間になろうと、数居れば気に入る人も居るだろうと言う考えで送り出した。
護衛を含め100名以上の集団がセートの国に向かって出発した。
一応セート側の偵察隊も自国方面に100人規模の部隊が向かっていることに気付いたので、即セートの国へ連絡した。
国境付近で武装した部隊に相手側の意図を質問した。
「どのような用件でこれだけの軍隊を我が国にむけるのか?内容如何で攻撃する」
「こちらは教国からの友好の為の使者であり戦闘の意思はございませぬ。現在の武器も魔獣対策の為なので、武装解除も出来ます。侵略の意思のない事は保障いたします。国からの手紙も預かっております。ご確認ください」
隊長が確認すると結婚が決まったことに対するお祝い及び手伝いの為に向かっているそうだ。
危険性はなしと言う事で護衛に着きながら国の中心部へと向かった。
セートからしたら面倒なのが来たなと思った。一応セート達の護衛は増やしておいた。
しかし会って話を聞くと普通に結婚に対して色々手伝ってくれるみたいだった。
念のため全員武装は解除しているが、どう見ても戦闘向きではない人もいる。
「この中で代表は?」と聞くと一人の女性が出てきた。見た感じ王女様かと言う位の服装と宝石で、横に猫を連れている。
「猫?」と聞くと
「今回私についてきた猫です。近寄ると危険なのでお気を付けください」
「そうなの……か?もう俺の足の横に居るが?」
「そんなはずは?あれ?本当に足元に居ますね。刺激しないよう願います」
「ねえ君、俺と仲良くなりに来たのかな?前の世界でも猫好きだったから仲良くなれたら嬉しいな」
「猫相手に話しかけましても……面白い方ですね」
(「私は猫族の代表で名前は無い。出来たら君たちと合流したいと考えていてな。教国に居たが彼らの考えは危険だここは種族による差別もないと聞く出来たらここに住ませてもらえないか」)
「こんな所でよければぜひ。出来たら俺個人の友達になってほしいな」
「あの?誰とお話を?」先ほどの代表は混乱してる。
(「名前貰えないか?何か君に付けてもらいたい」)
「綺麗な白色だし”しろ”ってどう?」
(「しろか。気に入った。では白と名付けると言いながら魔力を少し分けてはくれぬか」)
「大丈夫。では”貴女をしろと名付けわが友として迎える”」
急に猫が居た辺りが明るくなり何かが見えてきた。
(「魔力が凄すぎ……なんだこの魔力は……」)
「あれ?人型になった??」
「もしかしてしろ?」
「そうだ私がしろだ」
「ごめん動かないで、誰か服用意して~」
近くの使用人がとりあえずタオルをかけてくれた。周りが全員女性でよかった。
代表の方は腰が抜けたように座っていた。
「すまぬ主よ。お目汚しをした」
「こういう場合何て言うのか分からないが、凄くきれいだったと思う。すぐに目を逸らしたから分からないが」
「そう言ってもらえると嬉しい物だな。私しろとその配下の猫族はセート様を主とし従うことを約束する」
「そうなのかありがとう。今使える人は多い方がいいから助かるよ。でも教国の方は大丈夫?」
「あの国とは何も約束はしていない。亜人を見たら奴隷とする国だからこちらから仲良くする気もない」
「そうかなら大丈夫だね」
「主よ一つ頼みが有る。私との間に子供を作ってくれぬか?」
「そこは即答できない。俺には婚約者たちが待ってるから。彼女たちに好かれたら大丈夫かな」
しろは凄かった。猫と言う動物と獣人の姿を使い皆を猫好きに変えた。
今思うがしろが敵ならこの城落ちたね……。でもねこかわいい。
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