(甘酸っぱい思い出)

バイトの帰り道、凛ちゃんとカフェに寄り道した。





「ひょーちゃんは何頼むの?」



『この赤いやつ 美味しそう』




「クランベリーソーダ? 


 ってやつね?


 じゃぁ 凛も……


 私も これにしよっかな?」




今、自分のことを凛って言ってた。





『凛ちゃん、今のかわいいね』



「えっ? 

 あ、聞こえちゃった?」



『うん、 

 でも別に恥ずかしがることはないし


 好きにしたらいいんじゃない?


 むしろ今のが凛ちゃんっぽくて、好きかな』




僕も随分と、思ったことを言えるようになった気がするよ。


あんなに奥手だったのに、これが成長ってやつなのかな。




『初めて飲んだけど  


 結構好きかも コレ』




「うん


 甘酸っぱくて美味しいね」




クランベリーソーダの味は、何故か胸の中を切ない気持ちにさせる。


凛ちゃんの気持ちを表しているかのよう。


それとも、僕の思い出ともリンクしているからだろうか。

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