(選択肢と分岐点)

「氷馬くん……」



奈美が僕に何かを言いかけたときに、僕はハッとして



『またね』



そう言って、奈美を背に街頭の明かりの向こうへと消えてしまう。



数秒間、奈美の視線を背に受けていたように思う。




それから卒業まで一緒に帰ることはなかった。



あの雪降る日を境に、それぞれの道へと向かったんだ。



奈美は他県へ就職し、僕は他県にある大学へと進学。



初めて奈美とは別々の生活を送ることになったけど、偶然にも同じ県だったことを後で知った。

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