2024.12/23 記憶力の話
2024.12/23
私は記憶力が儚い。特に悲しい記憶、怒った記憶についての記憶に悲しいほどに乏しい。
これまでを読んでもらえれば分かる通り私は感情的な方だ。そのため、悲しいことが起きた時、怒るべきことが起きた時、その場ではしっかり憤怒を見せたり頽れて絶望したりしている。しかし、その一度きりの憤怒で感情をすっかりそこで消化してしまって忘れてしまうのだ。いいことだ、と思っただろうか。そうだ。いいことだ。お陰で私は、メンタル強度自体はそこまで高くないがリセット能力に優れ、挫折をしにくいたちである。
しかし、だ。お陰で私は同じ過ちを繰り返す。
そう、辛いことを忘れる、ということは、同じ過ちを繰り返す、ということなのだ。よく人間は、辛い記憶についてはしっかり覚えているものだ、と言われているのを見る。人間がそういった設計をしているのは、二度同じこと、危機的状況に繰り返し、命が絶えることを防ぐため……。と、聞く。
中々命の危機に瀕さない現代になると、辛い記憶ばかり覚えているのは悲しいことだ、と思う人も居るだろうが……。それは動物としてきちんと生存能力を備えている、という誇るべきことなのだ。もしあなたが辛いことをきちんと覚えていられるのなら、突然地球の世界観がサファリパークに更新されて危機に瀕した時、生き残るのはあなただ。
反対に、私は恐らく、人間界で安穏と生きてきたが為に厳しい自然界で生き残り、天寿を全うすることは不可能に近い。
お陰でポケットが浅いパーカーを着てトイレに入り、一週間で二回鍵を汚水に着水させたりしている。
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