第24話

月明かりだけの

薄暗い部屋で



私は……あくまで

ネオに迫る。





「私だって……

恥ずかしいのよ?



……ほら?わかるでしょ?」




躊躇うネオの手を

強引に引き寄せて




「!?」




ドクッ…ドクッ

脈打つ首筋……



隆々と血の流れる頸動脈に指先を押し付ける。




私の拍動を、嫌でも感じたネオは




「……やっ…

やめて下さい!お嬢様!」




「……ね?

ドキドキしてるの。」





さっきよりも、ずっと

焦ったように声を荒げた。



だけど、わかってる。

ネオの息遣いが……




ドクッ…ドクッ

流れる血流に向けて




どんどん…乱されて。





無理やりに押し付けた

私の肌に、食い込ませた指が



熱く……熱を持つ。





……赤く染まるネオの瞳を覗き込むと




「……あのね?ネオ

わたし


さっき伯爵と

……お話してたの。」




「お……お嬢様。」




上目にじっと見上げて

小さく微笑んだ。





ネオ――…早く。









「……わたし

美味しそう……?」





「!!」





ごくっ……と

上下したネオの喉に



私まで…鼓動する。




早く。……私はずっと

望んでいるのに。





「……そんな、こと」




「……ネオは

どう思う……?」




「……ッ、」





ネオは……絶対に





「……離して下さい!

お嬢様……!」




「!」





……私を求めては

くれないの。

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