第19話

「……なんて屈辱!

最悪な夜会だ!」




後ろから聞こえる

名家の伯爵には似あわない恨み言。




だけど、そんなの

どうだっていいの。




「……ルナお嬢様。


また男性を

からかったのですか?」




「……違うわ。

ただお話していただけ。」



「あんな距離で……?


それでは伯爵が勘違いするのも当然ですよ?」




「……知らないわ。」




そうよ。

どうだっていいの。



彼がこうして

私を気にかけてくれれば




「……ネオ。」




彼以外の男性は

……私にとって



そんな程度の存在。

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