第11話

王家の側近である名門ブラウス家の一人娘として生まれた私は、貴族と呼ばれる家柄から何一つ不自由ない暮らしをしていた。




お城のような豪邸には沢山の使用人がいたけれど、その中でもネオは特別。




少し気が弱いけど優しくて

誰よりも綺麗な心を持っているネオ。




……いつからか

執事という肩書きを忘れて




「ネオ……!

今日は森にお散歩に行きましょう。」



「ネオ!この本を読んでみせて。」




……ネオ。

私は彼の姿ばかり追っていた。




「……はい。お嬢様

……喜んで。」




ネオはいつでも

笑いかけてくれるのに




そんな私達に向けられる

周りの視線はいつだって――…。

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