第10話

「……あら?ネオ

タイが曲がってるわ!


直してあげるっ!」



「へ?……あ、すみません!」



「ふふっ、いいわ。」




あの頃の私達は、幼いながらも




「……お嬢様。

今日の紅茶は何に致しますか?準備致します!」




「……そうねぇ。

ジャスミンがいいわ!


ネオの淹れる紅茶は

何でも美味しいけれど。」



「……そんな……」




「本当よ?…ネオが私の執事で、本当に幸せっ!」




「!」





確かに互いを思いやっていて。




「……えっ?ネオ?

どうして泣くの!」




「やっ、あの

すみません……!


お嬢様のお言葉が

僕には勿体なくて……」




赤い瞳から

誰よりも純粋な涙を流す。



「……もう、ネオったら。」





確かに…とても

近い場所にいた。

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