二人の壁
第9話
――…
「ネオ?何してるの…?」
「あっ!お嬢様…」
ヴァンパイアの瞳は
血のような赤。
恐ろしい、忌々しい……
みんなは言うけれど。
ネオの瞳は…ルビーのようにキラキラした朱色。
女の子みたいに透き通る白い肌と…肩にかかる艶やかな黒髪が映える。
恐ろしくも
忌々しくもない…。
私の瞳に映るネオは
ずっと…ずっと
「……可愛いらしい
スイートピーが咲きましたよ?
お嬢様に一番にお見せしたかったのですっ!」
「!」
にこっと、屈託ない笑顔で振り返る。
「……そう。」
他には何もいらない。
そう思えるくらいに
美しい……人だ。
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