第5話
「……い、嫌です!
何を仰るのですか!
ルナお嬢様。
僕は、人間の…貴女の血を飲むくらいなら死を選びます!!」
ドクッ、ドクッ。
心臓が今までにない音を立てた。
目を反らす……僕の頬を両手で包むと
「……私はまだ子供だけど大人になってもこの気持ちは変わらないわ。
ネオ……お願い。」
「や……めて……」
「貴方がいない世界を
想像してみたの。
そしたら……気付いたわ。……耐えられないって。」
「……やめ、て……下さい。」
「……ネオ?」
彼女のブロンドの髪から香る、甘いミルクのような匂い。
柔らかく幼い柔肌。
透き通る白い肌に浮かぶ青い……血脈。
こんなにも目が、反らせない。
ドクッドクッと早打つ
身体が……熱い。
「……ネオ……触れて?」
「……あっ……!」
彼女は知っている。
そんな僕を――…。
そんな僕の本性を。
「……清らかな
乙女の生き血で
永遠の命を得る…のでしょう?」
「ち……違います。
僕は…僕はヴァンプになんか……」
大人達も寝静まった…月夜の晩。
高貴な貴族のお嬢様と……
「……私がどうしてこんなことするか、わかる?」
「………ッ、」
たかが……執事が。
こんな密度を保って
触れ合うなど……。
「……好き。
貴方が好きよ?」
―――…ネオ。
「お嬢……様。」
許されるはずが、ない。
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